住宅の新築,増築,リフォームから大規模建設工事まで/埼玉県熊谷市の総合建設業〜時田工務店
大原プロジェクト
大原プロジェクト「私たちの目指すもの」
私たちは考えます。 地球にやさしい住宅とは何か。
地球環境に配慮した新しい住文化を日本に根付かせたい。
そんな思いから生まれたのがこのプロジェクトです。

1.不幸なる今日的情況

 私たちは、2005年末の耐震偽装事件を、今日のマンション事情、住宅事情を如実に語るものとして驚愕を覚えながら、その成り行きを見て参りました。 現況では、個々人を罰する事で終焉してしまいそうですが、私たちは、戦後の住宅政策の構造的問題の必然的表出としてこの事件を認識しています。 過去に例を見ない今日の建設不況の中で、マンション建設と建売住宅だけが活況を呈し、ディベロッパーの激しい販売競争と建設業者の受注競争という異状な状況に参戦した人間・組織が、 建設と言う行為の本来持つべき倫理を放念置き去りにして起こした事件だと思うのです。 「本来価値」を満たしその上に「付加価値」を加える事で「本質価値」を創造出来ると思う私たちは、マンションブームの中にあるマンション建設に対して参加拒否を表明して来ましたが、 今日日本の異常な拝金主義の中で起きた必然の現象を反省し、本質的な改革案が未だに何処からも提案されていない現実に、改めて遺憾の意を表わさざるを得ません。

2.戦後日本の住宅政策の観点から

 戦後日本の住宅政策の基本は「戸建て持ち家」でした。 武家屋敷の伝統を踏まえ、敷地確立をしてその中に住宅を立てる戸建て持ち家政策を推進するため、政府は1950年、低利の建設資金を融資する住宅金融公庫を設立しました。 それに対する対抗勢力は集合住宅借家方式を主張、政府は良好な集合住宅を建設し、それを労働者階級に提供する事を受け入れ、1955年、日本住宅公団が設立されています。団地の誕生です。 戦後日本の住宅政策は、自民党の戸建、社会党の団地という2つの軸を中心に展開し、その後、都市部富裕層に対するマンションと言う集住のスタイルを取り込みながら現在に至っています。 目立った住宅政策の無いままに我が国特有の平等大衆標準化主義は、粗悪な建売り住宅、公営団地、公庫公団を巻き込みながらの空前のマンションブームをもたらしました。 が、結局のところ経済至上主義に翻弄され本質価値を見失ったままに、構造偽装に象徴されるマンション供給、平均寿命25年と言う木造住宅、と言う惨憺たる住宅状況が露呈し、周知のものとなりました。
 この現況を憂い、私たちは私たちの考える高品質な住環境と住宅、それを成立させるための思想をここに提示いたします。 微力ながらも、この住宅状況に楔を打ち込む事が真摯に建築に関わって来た私たちの責任、と考えるからです。

3.セカンドマーケットと金融システム

 なぜ、粗悪なマンション、住宅がこうも安易に建設され続けるのでしょうか。 当然機能不全に陥った住宅はその命を失い、結果平均25年と言う寿命の後、解体消失していくのですが、京都議定書6パーセントCO2削減を建築という視点で見ると、100年の寿命を建築に持たせなくてはならないと言われています。構造偽装のマンションが、完成間もなく解体建て替えという事実は、環境とエネルギーという視点から見ると膨大な負荷を社会に与えている、と言う事も見逃してはなりません。
 なぜ、の問いに二つの答えがありそうです。高品位な住宅を造ることが、造る側も購入使用する側も共に有利であると言うパラダイムを持っていない。 しっかりとした住宅は住み続ける時間の経過の中で価値を増大して行く、という新たな価値を認識出来るセカンドマーケットが存在していない、と言うのが第一の答えです。 住宅を所有するだけではなく、家族のライフサイクルに合わせ利用占有することで生活のクオリティを確保していこうと言う住み替えの思想は、必然として欧米に住宅のセカンドマーケットを産み出しました。 ロングライフ、ロングバリューの住宅を丁寧に住み込み、価値の持続を図る事で、トータルな住宅コストを抑えると言う認識です。もう一つは、金融のシステムです。 今日の多くの住宅融資は、今日現在の不動産価値に準じて設定されます。 住み込む後の未来の価値を意識する事無く建設される住宅・マンションは、往々にして住宅ローン残金を追い抜く不動産価値の下落により、負の資産だけを抱える事になってしまいます。 その結果が住宅平均寿命25年と言う現実を生んでいます。だからこそ、未来の価値から融資を受けるシステムを創り上げたいものです。少しずつ知られてきたリバースモゲージの導入です。 住み込んだ後の未来のある時点で、確かな価値を有するための建設が必要になります。現在、建設の前提として、耐震偽装問題発生の時に注目された確認申請の許可が必要です。 某社長は「憲法に等しいお墨付きをもらったのだから責任は無い」と発言していましたが、確認申請とは、本来最低限必要な基準の確認であり、それ以上のものではありません。 ですからリバースモゲージを設定する金融機関は、計画・デザイン・施工・環境・関わる組織、人間の経歴まで含めて責任あるチェックが必要になります。 この下限と上限の二つのチェックにより、ロングライフ、ロングバリューの住宅生産が可能に成るのではないでしょうか。
 現実には、リバースモゲージもセカンドマーケットの充実も無いに等しい現状ではありますが、実際に行動を起こす事から、新たな住宅の思想とシステムを問題提起したい、私たちの提案を進めて行きたい、と存じます。

4.熊谷という地域の位相

 熊谷は、東京日本橋の北方60キロ、利根川と荒川の二つの大河が最も接近し南北を挟み、関東平野のほぼ中心に位置している歴史ある街です。 海も無く山も無い、際立った都市性も地方性もないニュートラルな街と見る事も出来るのですが、商工農業の集積と交通の中心性を持ち、埼玉県北部の雄都と言われて来ました。 歴史の教訓による治水対策事業により(明治末期、利根川と荒川の決壊による80人余の死者の記録が有る)天然災害を被る事は少なく、NHK気象情報の暑くて寒い街と知られながらも極めて安全な地域です。 世界的な異常気象、自然の猛威に曝される災害のニュース映像を見るにつけ、「安全」と言うキーワードこそが今後「最大の価値」だと思い知らされます。 改めて21世紀の視点で我が街熊谷を見直して見る時、際立った安全性(昭和6年、西埼玉地震により1名死亡、昭和13年台風により荒川南部大里村で30人死亡の2例の記録が有るのみで、 その後の天災による被害の報告は無い)と共に、そのポテンシャルの高さと可能性を見出す事が出来ます。 何よりも白いキャンバスのままにある熊谷である事、静かな生活をベースに都市性と地方性を同時に抱え込む豊饒なライフスタイルをバランス良く創造できる街と言えます。 彩と環境を同時に獲得するためには、ニュートラルという熊谷の位相が一番のアドバンテージを獲得する時代になったと思うのです。 日常を越える情況を獲得したい時は、このニュートラルな立地を生かし、海でも山でも、求める最良の状態の風景に身を沈めればよいのですから。

5.同士として、地域生活者として

 今回私たちは、12戸の分譲住宅を計画しています。我が街熊谷へ、12の御家族を新たな地域創造の同士、パートナーとしてお招きしたいと存じます。 そして、新しい価値と住宅の在り様を世に問う、善意に満ちたアソシエートを創造頂きたいと思うのです。勿論、地域に居を持つ生活者として、既存のコミュニティへの積極的な参加もお願い致します。 私たちは長年熊谷で生活する地域生活者として、出来る限りインターフェイサーとしてコミュニティへの参加をお手伝いさせていただきます。 このプロセスの中で、すでに私たちが見失っている地域創造の新しい発見、提案を大いに発信いただきたいと思います。 より豊かな地域創造のオピニオンリーダーとして、セカンドライフの充実を考えていただけたら、嬉しい限りです。 そして終の地となる時、更に地域生活者の豊饒をしっかりと獲得していただきたいと思うのです。

6.ロハスの思想

 ロハスとは「健康と地球環境に対して永続可能な意識の高いライフスタイル Lifestyles Of Health And Sustainability 」を言います。 本来日本人の持っている基本的な思想なのですが、何時の間にか忘れられ、改めて逆輸入されたこの思想を、今回私たちは中心に置いて計画を進めています。 敷地計画は、地域植生に合った緑濃い緑陰の邨を造りたいと思って居ます。四季折々、季節のうつろいを確かに感じられる環境作りを第一に進めます。 住戸の建築は、人体の健康を阻害する一切の有害物を拒否することは当然として、12戸集住のメリットを最大限に生かした設備、エネルギー計画を進めています。 その一つに、地下100メートルまで井戸を掘り、その安定した地熱を利用した冷暖房システムの採用を考えています。そして何よりもロングライフ・ロングバリューの建築を目指します。 住宅平均寿命25年は地球環境に対して余りに不遜です。しっかりと施工された木造住宅は100年を超えるロングライフは当たり前とされています。 同時に時間が立つほどに価値を増すロングバリューな建築でなくてはいけません。今こそ建築に明るい未来を抱え込ませなくてはならないと考えます。
 本来持っている日本人の清潔で豊かな文化を、改めて住み込むことで獲得し、考えていきたい、私達も一緒にそこから学ばせていただきたいと思うのです。

7.私たちの目指すものは

 私たちは、大正12年創業以来80年余「技術の調和、組織の対話、精神の創造」を社是に掲げ、コミュニティ・コンストラクションとして建築を通した地域創造に努めて参りました。 この長い歴史の中で、愚直に業を通して学んだ私たちの正しく在るべき姿を、建設業に関わる人間の矜持として、行動の規範としております。 第一に「プロとしてのプライド」、第二に「地域創造者としての自覚」、第三に「未来創造者としての責任」の3つです。 私たちは真に、力ある技術者として正しい判断と行動を執れているか、建設は単に物を造ることを超え、地域を、地域の風景を創造していると言う自覚、建設を終え引き渡した時がその建物の歴史の始まり、 まさに私たちは未来に価値を創造しているというプライド、この自覚を持てばこそ偽装手抜きの発想は起こりようも無く、近年の建設業に対する疑惑不信から最も遠い建設業者で居られると思うのです。 こうして私たちは、この不実な時代をストイックに生きて参りました。 
 今、私たちの歴史と矜持を基礎として御提案させていただきますプロジェクトプランは、独立戸建型集合住宅という新しい形のコミュニティの創造です。 与えられた条件の中、私たちが妥協せず最善の技術と思想とデザインを積み上げ創り上げた理想の住宅群です。 小さな試みですが、時代に対する価値在るパイロットプランと成ると共に私たちの思いと行動が、次代のベンチマークに成る事を切に望んでいます。 今回12戸の独立型住戸を分譲することを通して、高い志を共有する12の素敵な出会いをいただき、 アソシエート(特別な意識を共通認識とし共有するコミュニティをアソシエートと呼んでコミュニティと分けています)を創造したいと願っています。 大いなる御理解と御協力を心より御願い申し上げます。